ホーム > 海外におけるBCL活動レポート > 東カリビアン・クルーズ(2011年) カ リ ビ ア ン ク ル ー ズ で 洋 上 D X i n g ! 〜 2 0 1 1 年 1 2 月 〜 ■ 序章 〜 '2011 カリビアン・クルーズに向けて - 今年も、残すところあと2ヶ月半。 私自身も家族もこの1年よくガンバリましたので、そのご褒美に?年末、7泊8日のカリビアン・クルーズを予定しています。^^ そんなことってあり得る?と今でも疑問なのですが、もともと予約していた西カリブ海コース(左下)のクルーズ船は、突然、(船社の都合で)東カリブ海コース(右下)に回されることとなりました。 こちらは休日がフレキシブルでないため、否応なしに、今回はナッソー(バハマ)→ セント・トーマス(米領バージン諸島)→ セント・マーチン(オタンダ領アンティル諸島)を巡る船旅に変更 - です。 コースは、このような感じ。 ↓
Day
Port of Call
Arrival Departure 個人的(つまり、DXing的)にはこちらも非常に興味深く、実は、もともと再来年の結婚10周年記念クルーズとして密かに検討していたコースだったりします。 旧コース、新コースともに(DXingの観点からすれば)鼻血ブーものですから(笑)、まぁ、結果オーライ!と言ったところでしょう。 《 2011.10.16 記 》 ■ 「未受信」のカントリーを求めて - C/H(Countries Heard (受信国数))・C/H(Countries Verified (受信確認証獲得国数))とも、200カントリーに迫ると、年に1カントリーでも増えればマシ - という状況(= 要するに、行き詰まり(笑))になります。 特にC/Hは、短波で稼げるカントリーはもうほぼ制覇し尽くしてしまいましたから、あとは中波やFMしかない国を残すのみ。 とは言っても、自ずと限界があります。 この状況ではもう、現地まで出向いて受信するしか手はありません。かなり苦しいシチュエーション、と言えます。 そんな中でハマった?のが、クルーズに於ける「洋上受信」。新婚旅行(2003年)ではじめて体験して以来、すっかりその虜になりました。これ、ごく短期間にいくつもの未受信カントリーを稼げてしまう、とても効率のいい方法なのです。 中波帯全体を「総録り」するペルセウス、非同調でワイドバンドを効率よくカバーするALA100MSの導入も、このスタイルにピッタリとハマりました。 今まで「とてもムリ」と諦めていた未受信カントリーが、少しずつ見えて来ました。^^ ■ '2011 カリビアン・クルーズ 〜 シュミレーション - それでは、全行程をシュミレート(予想)してみたいと思います。^^ 《 1日目 》-----------------------------------------------------------------------------------
船は、16:00(EST)ジャストにPort Canaveral, FLを出航します。 チェックイン(乗船)は昼から出来ますので、少し早めに乗り込んでアンテナ設置に励むのがDXer流? いやいや、そんなに焦る必要はありません。(笑) 1日目は、フロリダ半島に沿って大西洋を南下し、翌朝、ナッソー(バハマ)に至る - というコースです。 ルート的にはほぼ昨年のクルーズと同じですから、フロリダ州を中心とした米国中波局とキューバ局のオンパレで、やや面白味に欠けることは分かっています。 取りあえず「機材」をセットアップした上で、昨年のリストを一通りレビューすることとします。 特に、キューバ局(の混信)はこの先の航海で避けて通れない問題です。事前にR.RebeldeやR.Relojはじめ、各局の入感周波数をチェックしておけば、UnID局に散々時間を使った挙げ句キューバ局だった - なんてオチも少なくなる、というものです。 カリブ海に於ける洋上受信に於いて、「キューバ局のリストアップ」は、まず最初にやっておくべき作業 - と言えます。 1日目は、まぁ、そんなところでしょうか。 まぁ、ここで(そんなに気張って)エネルギーを使う必要はありません。 これからのワッチに備えて睡眠を十分に取っておくことも重要、です。 《 2日目 》-----------------------------------------------------------------------------------
朝起きると、ナッソー(バハマ)です。^^ 前回(昨年)も寄港していますし、過去に何度かZNSより返信を受領していますから、カントリーとしてのバハマは、C/H, C/V共に制覇済です。 一方、昨年、ナッソー港停泊中にFM局を数局受信してレポートしたものの、こちらは「全敗」 - まったく音沙汰がありません。 今回は08:30着→14:30発という短時間の寄港ですし(昨年も行っていますから)、取りあえず「入国」だけしてウィンドゥ・ショッピング程度 - となりそうです。 もう一度、停泊中にこのFM各局のリベンジと行きますかね。 《 3日目 》-----------------------------------------------------------------------------------
2日目、14:00にナッソーを出航して、3日目は終日洋上です。4日目の朝にSt. Thomas(米領バージン諸島)に至るまで、かなりの時間があります。 地図を見ながら航行ルートを辿ってみると、2日目の夜はバハマ諸島をすり抜けるコース、3日目の夜はTurks & Caicos Islands付近を、ハイチ、ドミニカ共和国に接近しつつ並走するコースです。 ハイチ、ドミニカ共和国、タークス・カイコス諸島、いずれもC/H, C/V共に制覇してはいますが、やはり中波で受信局数を稼ぎたいところです。 ハイチは、新婚旅行(カリビアン・クルーズ)でR.4VEH(840kHz)を受信して以来、です。WRTHによれば小出力局ばかりですが、「出力」という点だけ見れば -
780 R.Eben-Ezer(10KW) - あたりがターゲットでしょうか。混信局の有無がよく分からないので、何とも言えませんが・・・ マイアミビーチ(フロリダ州)でバハマのZNS1(1540kHz・8KW)が真っ昼間から良好に入感していることからしても、洋上であれば、日中でも意外とあちこち聞こえそうな気がします。 しかし、フランス語とか、ましてクレオール語なんてなると、局名確認にはかなり手こずりそうですね。。。 ドミニカ共和国は、10KWクラスの局が幾つも出ていますから、こちらはかなり期待出来ると思います。 (10KW以上の局を)ざっとリストアップしてみると -
570 R.Crystal(10KW / 5KW) - といったところでしょうか。 このあたりになるともう、まったく未知の世界 - 受信出来ただけで鼻血ブー、返信などゲット出来た日にはもう、完全に卒倒モノです。(笑) まぁ、R.Metro(1120kHz)はマイアミビーチ(フロリダ州)でも深夜に受信実績がありますから、この近辺の洋上であれば、まず受信出来るものと思います。 R.Amanecer(1580kHz)は、最近停波している(と思われる)6025vkHzのR.Amanecer Int.ですね。ぜひ、中波でも確認したいところです。 Turks & Caicos Islandは、R.Vision Cristiana Int.が530kHzで出ていた頃は米国でも良好に入感しており、極めてイージーなカントリーでした。が、同局がQRTしてからはすっかり珍カントリーとなり、現在に至っています。いや、「QRT」と書きましたが、(受信出来ないだけで)出力を落として放送中 - なんてケースもあり得るわけです。530kHzは、ぜひとも現地でチェックしたい周波数です。 他にR.Turks & Caicosという局があるようですが、FMオンリーですから難しいかも知れませんね。 《 4日目 》-----------------------------------------------------------------------------------
4日目朝、ようやくSt. Thomas(米領バージン諸島)に到着します。バージン諸島は、米領、英領があり、St. Thomasは米領です。 米領、ということは「Wコール」。 WRTHには、下記の6局がリストアップされています。
970 WSTX 5/1 使用言語は英語(かな?)、しかも僅か6局ということであれば、(受信さえ出来れば)確認は容易と思われます。C/Hとしての米領バージン諸島は、容易に稼げるでしょう。C/Vも、英語であれば・・・ 一方、英領バージン諸島には、ZBVI(Virgin Islands Broadcasting Ltd.)という局が780kHzにリストされています。出力は10KW。これはもう、是が非でも受信・確認したいところです。 同局のホームページには、「ZBVI 780 AM covers the entire Eastern Caribbean, including Dominican Republic, Barbados and Trinidad」という記述があります。出力10KWでTrinidad & Tobagoまでカバーする、ということであれば、もしかして、その逆 - Trinidad & Tobagoの10KW局がバージン諸島でターゲットになり得る、なんてことはあるのでしょうか? Trinidad & TobagoにはInspirational 7-30 AMという局が730kHz(20KW)にリストされているのですが、もしかして・・・(いやいや、そんなに甘くないって) 《 5日目 》-----------------------------------------------------------------------------------
そして、5日目はいよいよオランダ領アンティル諸島・St. Maartenです。 この周辺は、DXing的に言うところの「カントリー」がゴロゴロしています。これもまた、受信出来ただけで鼻血ブー、返信をゲット出来た日にはもう、完全に卒倒モノと言えます。(笑) AnguillaはC/H, C/V共に短波のCaribbean Beaconで稼いでいるとして、プエルトリコ各局、St. Kitts & NevisのZIZ R.(555kHz・10KW)やV.O. Nevis(860kHz・10KW)、Antigua & BarbudaのCaribbean Radio Lighthouse(1160kHz・10KW)など・・・ FMオンリー、というカントリーも少なからずあって -
・ St. Martin(フランス領) - などなど。夢が広がります。 この周辺は、小出力でも(洋上ということで)意外と受信出来たりするのかも知れませんですね。取りあえず、準備だけはしておこうと思います。 St. Maartenでは、何と言ってもV.O. St. Maarten(1300kHz)を是が非でも取りたいところです。WRTHにはリストされている局ですが、本当に出ているのかどうかも不明。情報も、ほぼ皆無と思われます。 その他、FM局も多数出ているようですが、これも余裕があれば。。。 以下、カントリー別に狙いどころをまとめてみました。 ▽ ST. MAARTEN (Netherlands) - p.354, WRTH '2011 WRTHによれば、St. MaartenにはThe V.O. St. Maartenという局が1300kHz(1KW)で出ていることになっています。(放送さえ出ていれば)現地ではまず、受信出来るものと思われます。 1300 V.O. St. Maarten 1KW その他、St. Maartenには下記のFM局がリストされています。
91.9 Island 92 C/HとしてのSt. Maartenは(現地まで行くわけですから)容易に稼げるでしょうが、C/Vとなると返信をゲットしなければならないわけで、V.O. St. Maarten(1300kHz)に加えてFM局を幾つか、保険として?ワッチしておきたいところです。 ▽ ST, MARTIN (France) - p.355, WRTH '2011 セントマーチンは僅か88平方キロの小さな島ですが、南側(St. Maarten)はオランダに、北側(St. Martin)はフランスに、それでそれ分割されています。 WRTHによれば、仏領セントマーチンには下記の局が出ていることになっています。
88.9 R.Guadeloupe 0.3KW どうやらFM局しかないようで、C/HとしてのSt. Martinを稼ぐとなると、これら小電力局を確認せざるを得ないようです。 ▽ SABA (Netherlands) - p.335, WRTH '2011 地図で見ると、St. Maartenの南、直線距離でおよそ40キロほどのところに浮かぶ小島のようです。 WRTH '2011によれば、QFM(The Voice of Saba)という局が93.9MHz(出力1KW)で出ていることになっています。St.Maarten停泊中、もしくはこの周辺の洋上を航行中、もしかしてFMで受信出来ちゃったりするようなことはないでしょうか。 93.9 QFM (The Voice of Saba) 1KW 出力1KWもあれば、何も遮るものがない洋上であれば、40キロの距離はさして問題ないような気がします。 ▽ ST. BARTHELEMY (Netherlands) - p.354, WRTH '2011 個人的には、聞いたことすらないカントリーです。(笑) まぁ、前述のSaba同様、独立国ではなくオランダ領アンテイル諸島の一部ですから仕方ありませんですかね。 ITUでは「BLM」として登録されており、DXの世界でもカントリーとして扱われている?ようです。C/Vはともかく、C/Hでもこんなカントリーをゲット出来た日にはもう、鼻血ブー(即入院)ものです。(笑) 地図を見ると、ここもまたSt. Maartenの南東、直線距離でおよそ20キロほどのところにある小島のようです。 WRTH '2011によれば、下記の局がリストされています。
88.6 R.Guadeloupe 0.3KW いずれも出力300Wと小電力ですが、はい、ロケーションは何も遮るものがない(であろう)洋上です。St.Maarten停泊中、もしくはこの周辺の洋上を航行中にダメモトで狙ってみる価値はありそうです。 ▽ ST. EUSTATIUS (Netherlands) - p.354, WRTH '2011 地図を見ると、前述のSabaより20キロほど南東に浮かぶ小島のようです。 St. Maartenからは北に4, 50キロといったところのようですが、WRTHによれば、R.Statiaという局が中波1120kHz(1KW)、FM・92.3MHz(出力未記載)で出ていることになっています。
92.3 R.Statia 中波で1KW出ていたとして、遮るものがない洋上であれば4, 50キロは大丈夫なような気がするのですが、どうでしょうか。混信が増える夜間より、むしろ日中の方が狙い目?。(笑) ▽ ST. KITTS & NEVIS - p.354, WRTH '2011 地図を見ると、St. Maartenからはおよそ5, 60キロ南東、といったところでしょうか。 WRTH '2011によれば、ZIZ Radioが555kHz(10KW)で出ている他、R.Paradiseが820kHz(50KW)で、V.O. Nevisが860kHz(10KW)で、それぞれ出ていることになっています。 2000年にHilton Head Island, SCで行ったアトランティック・ペディションで、根なし草さんがZIZ Radio(555kHz)を受信されています。しかし、私自身はこのときも、その後も、受信出来ないまま。今回は、現地まで行ってでも取りたい局のひとつです。
555 ZIZ Radio 10KW 04:00〜08:00 UTにBBC-WSの番組を中継 FM局も多数出ているようですが、恐らくこの中波局は全局(日中から)受信出来るでしょうから、ムリしてFMを狙う必要はありません。 C/Vは相手のあることですので分かりませんが、C/HとしてのSt. Kitts & Nevisはほぼ確実にゲット出来ると考えられます。 ▽ ANGUILLA (U.K.) - p.70, WRTH '2011 C/H, C/Vとしてのアンギラは、短波のCaribbean Beaconでゲット済ですし、中波(690kHz)もマイアミビーチで受信・確認しています。 しかし、せっかく近く(St. Maarten)まで行きますので、現地に於ける下記の局の入感状況だけはチェックしてみようと思っています。
95.5 R.Anguilla
690 Caribbean Beacon 50KW 他にもFM局は多数出ているようですが、St. Maartenでは(C/H, C/V未獲得カントリーを中心に)狙わなければならないところが数多くあります。恐らく、プライオリティとしては後回しになるでしょう。 ▽ ST. VINCENT & THE GRENADINES - p. 355 WRTH '2011 もちろん、C/H, C/Vともに未開拓のカントリーです。地図では、St. Maartenからは直線距離で800キロほど離れているように見えます。 WRTH '2011によれば、NBC Radio(National Broadcasting Corporation Radio St. Vincent and the Grenadines)が700kHz、出力10KWで出ていることになっています。事実上、ダメモトでこれを狙うのが唯一の可能性、ということになります。 ▽ ANTIGUA & BARDUDA - p. 70 WRTH '2011 WRTH '2011によれば、Antigua & Barbuda Broadcasting Serviceが620kHz(出力10KW)で、Caribbean Radio Lighthouseが1160kHz(出力10KW)で、それぞれ出ていることになっています。 これをぜひ、受信・確認したいところです。 ▽ GRENADA - p. 217 WRTH '2011 ダメモトで、トライだけでもしてみたいカントリーです。 WRTH '2011によれば、Grenada Broadcasting Network Radioかず540kHz(出力10KW)で、Harbour Light of Windwardsが1400kHz(5KW)で、それぞれ出ていることになっています。 ▽ TRINIDAD & TOBAGO - p. 367 WRTH '2011 これもまた、ダイモトでトライしてみたいカントリーです。 WRTH '2011によれば、Trinidad Broadcasting Company(Inspirational 7-30 AM)が730kHz(出力20KW)で出ていることになっています。 《 6〜7日目 》 -------------------------------------------------------------------------------
5日目の夜、18:00にSt. Maartenを出航すると、船はほぼ今まで来たコースを折り返すこととなります。 ということは、4, 5日目の受信記録(実績)がかなり参考になるハズです。Port Canaveral, FLまで洋上で丸2日過ごすこととなりますので、かなりの時間があります。 「取りこぼし」がないか確認すると共に、UnID局があれば(あるでしょう)その調査に全力を尽くすこととなりそうです。 (表向きは「家族旅行」ですから)どこまでDXingに時間を割けるかは分かりませんが、ここのところ足踏みしているC/H, C/Vを一気に増やす、千載一遇のチャンスです。 ということで、これから少しずつ、準備を進めて行こうと思っています。^^ 《 以上、2011.11.29 更新 》 移動運用必需品リスト 〜 移動運用必需品リスト 〜 洋上受信(クルーズ)編
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